四字熟語で小話② 雨糸風片
自らの発想力のなさを嘆いた結果、四字熟語から思い浮かぶ事や物、小説風のものまで思い浮かんだことを書いていく。第2回
今回は、詩のようなもの。
『雨糸風片』
【1】
風音混じりの雨の音
さぁさぁとんとん窓をたたくよ
雨はどこからやってきた
風に運ばれやってきた
遠くにきらめくお日さんが
そこのけそこのけ、追い立てる
きらきら雨粒残してさ
雨のにおいも消えてった
【2】
雨よ
洗い流してくれ
俺を
俺自身を
醜く歪んだ顔
淀んだ血
腐った身体
雨よ
全てを覆い隠してくれ
見えないように
遠ざけてくれ
見つからないように
いつか魚に生まれ変わるその日まで
おわり