四字熟語で小話③ 水月鏡花-2
今回は、詩と異世界です。
『水月鏡花』
【2】
木立の中を歩く。
木々の合間から優しい光が降り注ぐ。
上空で風がそよそよ葉っぱを揺らしている。
手を透かして仰ぎ見る。
葉脈が透けて見える。
青い空と淡い緑のコントラスト。
緑のにおい。
張り巡らされ空に向かって伸びる枝を眺める。
木々は地球の血管なんだと感じる。
胸いっぱいに空気を吸い込む。
【3】
大きな湖。
満月が湖面に映っている。
伝承では風のない夜に月の双子が出会ったら異世界の扉が開くという。
風が止み湖の揺らぎがおさまる。
どこからともなく花の濃厚な香りが鼻に届く。
見渡しても花が咲いている様子はない。
これほど濃厚な香りならば近いはず。
祭りを思わせる楽し気な音楽も遠く聞こえる。
音のなるほうへ目を向ける。
どう考えても湖面に映る満月から。
意を決して湖の中へ。
湖面が凪ぐ。
瞬間。
花の香りも音楽も消えてしまった。
おわり
四字熟語で小話③ 水月鏡花-1
自らの発想力のなさを嘆いた結果、四字熟語から思い浮かぶ事や物、小説風のものまで思い浮かんだことを書いていく。第3回
今回は、昔話(?)ごった煮パロディ。救いはありません。ご了承ください。
色んな解釈ができるかも…
※不快な描写があることを先に記載しておきます。
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